設計理念

私たちは、建築するということを、単なる造形という行為だとは考えていません。
建築物が存在し、その意義を発揮することはひとつの人格の誕生であり、造り手の人格の反映だと考えています。
だからこそ、わたしたちは意義のある人格である必要があり、褪せない理念と本質的な価値基準を持たなければならないと考えています。


充実した時間のための空間

建物に求められる機能的な欲求は限りなく高まっていき、技術の進歩はその欲求に応え続けます。しかし、そこで過ごす人間の本質は変わることなく、利便性や快適性を追求した空間が人間の本質的な満足を追い越すことはありません。
そこで、わたしたちは空間の前に時間を置きます。人間がいかに充実した時間を過ごすことができるか、充実した時間という目的を果たすための手段として空間は、どうあるべきか、それがわたしたちの人間の本質を満たす空間であり、機能という際限のない欲求から開放された充実という建築物のご提供です。

対峙という調和

自然と調和した建物。この使い勝手の良い言葉を建築に反映することを、わたしたちは簡単なことではないと考えています。
例えば、わたしたちはその土地に以前からあった林のように、あるいは森のような存在感を持った建築物を建てたいと願います。しかし、そこにある一本の樹は、風雪に耐えるために大地に根を張り、ときには岩をも貫きながら、自然という環境に対峙することで存在を許され調和してきました。
わたしたちの建物もまた、一本の樹のように、自然と真摯に対峙する生命力を注ぎ、その力を持って調和したいと考えます。

無駄をなくして贅沢を

形的な美しさは無駄でしょうか。移動のための楽しい動線は無駄でしょうか。この建物で過ごした人が、やがてふる里の山や川の美しさと楽しさと同じく、この建物を自分のアイデンティティに内包できることを願いながら、わたしたちは美しさと楽しさを建築に織り込みます。
自慢するための無駄なコストを省き、良き友のように誇れる建物との関係が成り立つとしたら、これほどの贅沢はなく、わたしたちはそれこそが、わたしたちが行う建築の可能性だと考えています。


価値基準

自らのスケールで計る

わたしたちは、建築における価値を自らのスケールで計ることで、普遍的な価値基準を構築していきます。

環境と共生しているか Eco 地球環境と建物が共存するために

環境への負荷を出来る限り低減し自然エネルギー(太陽熱、太陽光発電、風力発電)を活用しなければなりません。

1.自然素材の活用:建物解体時に自然に還る建材の活用する。
2.リサイクル建材の活用:リサイクルされた建材の活用。
3.石油エネルギーの低減:高断熱の建物とすることで、エネルギー消費を抑える。
4.Co2発生の削減:消費電力量を低減をするために、冷暖房の負荷を下げる。

充分な持続は可能なのか Sustainable 大切な財産を永い年月で活用するために

20世紀は、スクラップ&ビルドの時代だったと言われています。わたしたちの地球は、この負の遺産を抱えながら21世紀を迎えました。これからわたしたちが後生建築は、ストックと成り得る持続可能な財産であるべきです。長い年月の風雪に耐え、ライフサイクルの変化に容易に対応できる「サスティナブル」建築を造らなければなりません。

活かすを具現化しているか Re 限りある資源だからやるべきことがある

建築は時の経過とともに老化します。利用者の構成やライフスタイルが変わり、間取りや建物のつくりが利用形態やその暮らしに合わなくなってくることもあります。
永く快適に住まうためには「Re=活かす」をしながら、その利用形態と時代に合わせて育ててという発想が必要です。建築の専門家として長期的に見守っていく皆様と一緒に愛着を持って育てていくことがわたしたちの役割です。


LOHASという価値観

スローフードからスローライフ、そしてローハスへ。

スローフードやスローライフは、どちらも飽食と効率化に追われる食事や生活を見直し、人間として本質的な豊かさを求めるための生活提案です。そして、最近ではもう少しトータルな生き方の提案としてローハスという言葉が生まれ、わたしたちは、そうした生き方こそが建築物を造るうえで最も大切な価値観だと考えています。
しかし、わたしたちはローハスという言葉の啓蒙をする者ではありません。わたしたちは、生き方の価値観を建築する者です。

LOHAS(ローハス)とは…

「Lifestyles Of Health And Sustainability 」 の頭文字をつないだ言葉です。
誕生は、1998年にアメリカの社会学者ポール・レイと心理学者シェリー・アンダーソンが、提案し、健康的で環境に関心を持ったライフスタイルと、それを営む人達の総称として使われています。

LOHASの5項目

1. 持続可能な経済:省エネ商品、代替えエネルギー、グリーン都市計画 など
2. 健康的な暮らし:オーガニック、自然食品、サプリメント など
3. 代替医療:自然治療 など
4. 自己啓発:ヨガ、フィットネス、能力開発 など
5. 健康を配慮した暮らし:環境配慮住宅、リフォー、家庭用品 など


もったいないという美しい言葉

もったいない(勿体無い)とは、元々不都合である、かたじけないなどの意味で使用されていましたが、現在では一般的に「物の価値を十分に生かしきれておらず無駄になっている」ことに対する批判の意味で使用される日本語として世界に歩き出しました。
きっかけは、ケニア出身の環境保護活動家であり、ノーベル平和賞受賞経験者であるワンガリ・マータイさんが、2005年2月に京都議定書関連行事のため、毎日新聞社の招聘により日本を訪問したときにこの言葉を知り、日本人が昔持っていた「もったいない」の考え方こそ、環境問題を考えるにふさわしい精神として感銘し使われたからです。